ビットコイン採掘インフラ企業のビットディア・テクノロジーズ・グループの株価が木曜日、急騰した。同社がネバダ州に3600万ドル、約58億円を投じて製造施設を建設すると発表したためだ。米国内での生産能力を拡大し、採掘ハードウェアを外部業者に頼る体制からの脱却を狙う。
ビットディア株は14.1%高の14.33ドル、約2316円まで上昇。週前半の売り浴びせ分を完全に取り戻した格好だ。もっとも、木曜日の急騰を経ても、株価は6月につけた高値からなお約27%下回っている。一方で、年初来では26%の上昇となっている。
今回の株価上昇のきっかけとなったのは、ビットディアがネバダ州スパークスに製造施設を建設し、自社のビットコイン採掘マシン「シールマイナー」シリーズを組み立てると発表したことだ。同工場では、採掘機器の中核部品を製造する予定で、商業生産は年内にも始まる見通しだ。
ビットディアのキャサリン・グオCEOは地元メディアに対し、シンガポールを拠点とする同社が、ネバダ州のジョー・ロンバルド知事の政権や地元当局と協議し、対象となる売上税の軽減を含む税制優遇措置を確保したと説明した。これが同州で事業を立ち上げる判断の一因になったという。
この投資は、ビットコイン採掘大手各社がAIや高性能計算、いわゆるHPC分野へと相次いで進出するなかで行われた。各社は、電力とデータセンター基盤へのアクセスを武器に、新たな収益源を探っている。ビットディアもAIクラウドサービスやHPC事業に進出しているが、今回のネバダ新工場はあくまでビットコイン採掘ハードウェアの製造に特化する。
ビットコイン採掘企業、AIインフラ投資を加速
ビットディアがハードウェア製造事業を拡大する一方で、上場しているビットコイン採掘企業の多くは、暗号資産採掘一本足打法からの脱却を進めている。
木曜日には、マラ・ホールディングスが、AIおよびデジタルインフラ事業の拡大に向け、最大2ギガワットの容量を持つテキサス州の用地を取得する計画を発表した。
さらに今週初めには、テラウルフがAIスタートアップのアンソロピックと20年間のデータセンター賃貸契約を締結した。同社によれば、この契約は約190億ドル、約3兆700億円規模の契約収入を生み出す可能性があるという。
一方のビットディアは、インフラ事業と並行して、採掘事業そのものの拡大にも引き続き力を入れている。同社が直近で公表した生産状況によると、5月の採掘量は921BTCに達し、前年同月比で370%増加した。


