ソニー銀行が、いよいよ米国のステーブルコイン市場に本格参入する。
ソニーフィナンシャルグループ傘下のソニー銀行は、米ドル建てステーブルコインを発行するため、米国に新たなナショナル・トラスト・バンク子会社を設立する計画について、米通貨監督庁(OCC)から予備承認を受けたと明らかにした。
新会社の名称は「コネクティア・トラスト・ナショナル・アソシエーション」。7月2日にOCCから予備承認を取得した。
ソニーフィナンシャルグループが月曜日に発表した内容によれば、コネクティア・トラストはソニー銀行が100%保有する子会社となり、米ドル建てステーブルコインの発行および管理を支援する。
今回の承認は、ソニーが規制下の米国ステーブルコイン発行事業に足を踏み入れることを意味する。長期的なデジタル資産ビジネスの基盤づくりの一環であり、ソニー銀行は初期資本として4000万ドル、約65億円を投じる構えだ。
ただし、まだ“即営業開始”というわけではない。
ソニー銀行は、OCCの最終承認を含むすべての承認・認可を取得するまでは、事業活動もステーブルコインの発行も行わないとしている。同グループは、このステーブルコイン子会社を今月中に立ち上げる計画だ。
コインテレグラフはソニー銀行に対し、事業の詳細や独自ステーブルコインを発行する予定があるのかについて問い合わせたが、記事公開時点までに回答は得られなかった。
ソニー銀行は今年3月にも、ステーブルコイン発行企業であるJPYCと覚書を締結している。日本円連動型ステーブルコインを、銀行の預金インフラとより直接的に接続できるかどうかを検討するためだ。
Overview of the specified Sony Bank subsidiary to be established in the US. Source: Sony Bank
大手銀行もステーブルコインに熱視線 ただし規制の壁は高い
世界の大手銀行は、米国で規制上の逆風が吹くなかでも、ステーブルコインのインフラを従来型の金融システムに取り込もうとしている。
先週木曜日には、英大手銀行スタンダードチャータードと、USDC発行企業のサークルが、機関投資家向けにUSDCを発行・償還できる新たな仕組みを開発したと発表した。
この仕組みにより、顧客はサークルに別口座を開設することなく、スタンダードチャータードのプラットフォームを通じて、米ドル裏付け型ステーブルコインであるUSDCを直接発行・償還できるようになる。
一方で、米国初のデジタル資産包括規制の枠組みとなる「クラリティ法」をめぐる議会での審議は、なお停滞している。
そのため、ギャラクシー・デジタルは、同法案が2026年中に成立する確率を50%に引き下げた。
同法案は7月17日に米下院で公聴会が予定されている。しかしギャラクシーの調査責任者アレックス・ソーン氏は、上院が8月8日から恒例の4週間休会に入る前に、十分な審議時間を確保できない可能性があると警告している。
クラリティ法案は5月に上院銀行委員会を通過した。しかし、民主党議員の多くや銀行業界からは反発も出ている。
その理由は、暗号資産企業が従来の金融機関と同じ要件を課されないまま、ステーブルコインに利回りを付けた商品を提供できるようになるのではないか、という懸念だ。
6月初旬には、暗号資産ロビー団体スタンド・ウィズ・クリプトが共有した書簡で、200を超える暗号資産企業や関連団体が、上院に対してクラリティ法案の可決を求めた。
一方、JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは5月、フォックス・ビジネスの取材に対し、銀行業界は現在のクラリティ法案に対して引き続き「闘う」と述べた。
さらに同氏は、利回り付き商品を提供したい暗号資産企業について、「銀行免許を申請すべきだ」と語った。


