ビットコイン採掘企業マラ・ホールディングスの株価が、木曜日の取引序盤で約15%上昇した。同社が、AIコンピューティングとビットコイン採掘向けに、最大2ギガワットの電力へアクセスできるテキサス州の電力付き用地を取得する計画を発表したためだ。
対象となるのは、ヒューストンの南西約90マイルに位置するテキサス州マタゴーダ郡の1,200エーカーの土地だ。2027年10月までにまず1ギガワットの送電網容量へアクセスでき、2028年4月までには最大2ギガワットまで拡大する見込みだという。マラはこの土地を、高性能コンピューティングとビットコイン採掘の双方を支える「デジタル・インフラ・キャンパス」として開発する計画だ。
全面的に電力供給が始まれば、同社の潜在的な電力容量は約4.8ギガワットへと拡大し、現在の2倍超になる見通しだ。両社によると、マラが高性能コンピューティングのテナントとリース契約を結んだ場合、HIF USAは同プロジェクトの少数株主として持ち分を維持する。なお、取引条件の詳細は公表されていない。
Source: Yahoo Finance
マラはXへの投稿で、このプロジェクトはまだ開発の初期段階にあり、規制当局の承認が必要だと説明した。建設は複数年にわたり、段階的に進められるという。
マラは4月、オハイオ州にある505メガワットのガス火力発電所と併設データセンターを保有するロング・リッジ・エナジー&パワーを、約15億ドル、約2,436億円で買収すると発表していた。さらに今年初めには、フランスのコンピューティング・インフラ事業者エクサイオンの株式64%を取得している。
ビットコイン・トレジャリーズ・ドット・ネットのデータによれば、マラは上場企業としては世界4位のビットコイン保有企業であり、36,303BTCを保有している。
ビットコイン採掘企業、AIデータセンターに大勝負
ビットコイン採掘企業は、データセンター需要の拡大を背景に、AIや高性能コンピューティング分野への進出を加速させている。彼らが狙っているのは、マイニング用の機材をAI用に転用することではない。ビットコイン採掘のために整備してきた送電網接続、変電設備、すでに電力が通った用地といったインフラそのものを活用することだ。
もっとも、マイニング施設をAI対応のデータセンターへ転換するには、莫大な投資が必要になる。コインシェアーズの試算では、マイニング用インフラのコストは通常1メガワットあたり70万〜100万ドル、約1.1億〜1.6億円だ。一方、液冷式AIインフラでは1メガワットあたり800万〜1,500万ドル、約13億〜24億円に跳ね上がる。さらに、ハイパースケール顧客は、多くのマイニング施設が想定していた以上の電力密度と稼働率を求める。
それでも、上場マイニング企業の間では、ここ数カ月で数十億ドル規模のAIインフラ契約が相次いでいる。コア・サイエンティフィックは、コアウィーブとのホスティング契約を100億ドル超、約1兆6,240億円超へ拡大した。ハット8は、フルイドスタックと15年間・70億ドル、約1兆1,368億円規模のデータセンター・リース契約を結んだ。テラウルフも、高性能コンピューティング関連で数十億ドル規模の契約済み収益を報告している。
投資家も、この戦略をおおむね歓迎している。ハット8の株価は、フルイドスタックとの契約発表後に約20%上昇した。コインシェアーズのレポートによれば、AIや高性能コンピューティング関連契約を持つ企業は、ビットコイン生産だけに集中するマイニング企業よりも高いバリュエーション倍率で取引されている。
先週には、テラウルフ株も約12%上昇した。同社がアンソロピックとの20年間のAIデータセンター・リース契約を発表したためだ。この契約は、約190億ドル、約3兆856億円の契約収益を生むと見込まれている。
ヤフー・ファイナンスのデータによれば、マラはセクター別ETFであるコインシェアーズ・ビットコイン・マイニングETFにおいて、構成比4.76%の第6位保有銘柄となっている。木曜日の午後早い時間帯には、同ETFのWGMI株も5%超上昇していた。


